Dance Colloquium#4「処女作 virgin 」、振付:山崎広太@アサヒ・アートスクエア


アサヒアートスクエアという悪くない会場、かなり有名な振付家の作品、そして1ドリンク付きで、たったの¥1500。リーズナブル! チラシのデザインとかもかなりカッコ良くて、この企画気に入ってるんだけど、いつも2回ぐらいしか公演打たないのはそれほど客が入んないって事なのかなぁ。あまり告知に金かけてないみたいだし、見に来るのは身内や知人や関係者ばかりって感じ。ホームページはなかなか更新しないし、相変わらず商売っ気ないよなぁ。ちゃんと一般の客を呼ぶ気あるのだろうか(ないのだろう、、)。
真っ暗な中、悲鳴?金切り声?、、で幕をあける。最初の10分くらい、少しだけ照明をともした薄暗い中でダンスが始まる。ワンポイントで赤いラインが入った黒ワンピースを着た女性7人。若手から30代ぐらいのベテランっぽい人まで幅広いキャスティングという印象。7人とも同じ衣装というのが少し味気ない。薄暗い上に黒い衣装だから動きがよくわからない。次第に照明も明るくなり、動きを把握出来るようになる。山崎さんのダンスを見た事ないけど、ちらほら情報は耳に入っている。アフリカ、プリミティブというのがなんとなく思い浮かぶイメージ。そのイメージに大きく外れる事なく、特に前半怪しい不恰好な動きが目立つ。途中数回悲鳴があがったり、7人揃っての少し抑えたような笑い声が何とも言えず不気味。結構高さのある赤いハイヒールを履いてのダンス(ちょっときつそう)を挟んだりしつつ、後半はバレエっぽいなめらかで柔らかい動きの振りつけが多かった。6人や3人でユニゾンしたり、両脇の壁を使ったり、外周(客席の後ろ側)を使ったり、どこに焦点を合わせたらいいのかあちらこちらで縦横無人に繰り広げられていく。 一旦控え室に全員消えたと思うと、少ししてバスタオルだけを体に巻いた女性が1人外周をのらりくらりふらふらと歩き出す。その後ダンスはクライマックスを迎える。手や足が血まみれになった人が一人また一人苦しそうにふらふら歩いて来ては床に倒れていく。息絶え絶えの彼女達。良く見るとスカートの奥つまりあそこから血が流れているみたい。処女を失ったって事か。そして照明が落ちる。うーん、最後は芝居じみててちょっとひいた。
1つ気に入らなかったのがBGM。どういう人の曲かわからないが、緩急があまりなく少し早いかなと感じるぐらいのリズムでずっと続く感じなのだ。言葉でうまく伝えられないけど聞いてて非常に疲れた。あとは、30代以上のベテランっぽい人が4人もいたのがちょっとね。若者より技術のあるベテランを選んだって事? この企画ってどっちかというと、かなりキャリアのある年輩の舞踏家が、まだ若くてフレッシュな今時のダンサーに振付をするっていう企画だと思っていたから、ちょっとずるいような気がした。 あ、でも主催者がダンサー選んでるかもしれないな。振付師とダンサーのぶつかりあいみたいな感じの事を謳ってる企画だからね。 奇抜な演出ばかりが記憶に残って肝心のダンスがあまり記憶に残らず。かなりダンスに見慣れてきて免疫出来ちゃったってのもあるんだろうけど、今日のはあまりビビっとくるものが少なかった。一つ一のダンスの振りで面白い所はあったけど、総合的に何かを印象づける事なく終わった。変に芝居じみた部分があったからなおさらダンスとしては印象が弱い。


●ダンス・コロキウム  http://www.luftzug.net/dc/



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